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冬だ! ハタハタだ!! 秋田の郷土料理・ハタハタ寿司を作ってみよう♪

2018-01-17

秋田音頭の冒頭に「♪秋田名物  八森ハタハタ・・・♪」と歌われる県の魚「ハタハタ」。

普段は深海に住んでいて産卵期のほんの一時期だけ大群で近海に押し寄せるハタハタは、昔から秋田の冬の風物詩となっていました。嵐とともにやってくるため「カミナリウオ」とも呼ばれています。

ハタハタは味が淡白で調理しやすい魚なので、焼いたり煮たり鍋に入れたり、いろいろな方法で食べることができます。食べ物の保存技術が今ほどなかった時代、特に秋田県の内陸部ではなかなか魚を食べる機会がなく、冬の初めに大量に獲れるハタハタを箱で買うのが貴重なタンパク源でした。キロ単位でたくさん売りに来るので、保存食にして少しずつ食べられるように工夫したものが「ハタハタ寿司」です。

ハタハタ寿司は飯寿司(いずし)の一種で、お米と麹を使った発酵寿司です。最近は出来合いのものがスーパーで手に入るため、各家庭でハタハタ寿司を作る機会は少なくなりました。贈答用のイメージも強く、ハタハタ寿司を作るのは難しいのでは・・・と思われがちですが、ポイントを押さえれば素人でも簡単に作ることができます。

そこで今回、初めてのハタハタ寿司作りに挑戦してみました!

「初めてさんのハタハタ寿司ワークショップ」に参加。講師は、大館市を拠点に食育指導師として活躍中の小山明子(こやまあきこ)さんです。

ワークショップ1日目・下処理

今年はハタハタの接岸が例年より少し遅く、ハタハタ寿司作りワークショップは12月18日にスタート。漁獲量が少なかったので、ハタハタの値段は例年より高めでした。寿司にするハタハタは小ぶりのものがオススメだそうです。オスのみで買うと、オス・メス混合のものより少し安く手に入れることができます。

ハタハタ寿司の仕込みは約1週間かけて行います。初日は下処理からスタート。ハタハタの胸ビレの部分から包丁を入れて頭を取ります。

続けて内臓、尾を取ります。オスの場合、白子も取り除きます。

メスの場合ブリコ(卵)はそのままつけておき、他の内臓だけ取ります。ブリコが魚から離れてしまってもOK。

ハタハタの表面はヌルヌルしていて扱いづらいので、軍手をして作業をすると少しやりやすくなります。

結構量があって「下処理は大変かな~」と思っていましたが、おしゃべりをしながら進めていると気がつけば終わっていました(笑)。

ワークショップ1日目・血抜き

続けて、下処理したハタハタを洗いながら血抜きします。

流水にさらしながら内臓を取った腹の部分に指をはわせ、骨に沿って血を絞り出すようにします。尾の側も指でしごくようにして血を絞り出します。

参加者「体は小さいけど、結構血が出てきますね~!」

小山さん「しっかり血抜きをすることで、腐敗防止になります」

時間に余裕がある場合や、一度に大量のハタハタ寿司を作る場合は、下処理したハタハタをたっぷりの水に浸け、赤くなってきたら水を変え、2~3日かけて血抜きをする方法もあります。でも、今回のように流水で洗いながら血抜きをしても出来上がりの味にそう変わりはありません。やりやすい方法でやるのが一番だそうです。

血抜きができたら、1匹ずつ丁寧にハタハタの水分を拭き取ります。これも手作業としては結構な量ですが、しゃべっているとやっぱり不思議なほどあっという間に終わってしまいます。

ワークショップ1日目・塩漬け

ハタハタを漬けるたるに漬物用のビニール袋をセットし、水分を拭き取ったハタハタを入れてたっぷりの塩(ハタハタ1kgに対して塩約200g)をまぶし、ふたをして冷暗所で2日間置きます。

ハタハタ寿司作りワークショップ1日目の作業はこれで終了。

小山さん手作りのハタハタの唐揚げを昼食にいただき、各自塩漬けのハタハタが入ったたるを持って解散しました。

ワークショップ2日目・酢漬け

2日間塩漬けにしたハタハタのたるを持って、12月20日、ワークショップ2日目がスタート。

塩漬けになったハタハタからは水分が出て、2日前とは全然違う引き締まった感触になっています。このハタハタを水できれいに洗います。

土間で作業をしていた昔と違って今は家庭のキッチンを使うことが多いため、キッチンのシンクでもやりやすい洗い方を伝授していただきました。

ハタハタを浸けていた漬物用のビニール袋の端っこを、ハサミで少し切って穴をあけます。そしてビニール袋にそのまま水を入れてジャブジャブ洗います。ハサミで切った穴から水が流れ出るので、とても楽に洗うことができます。ハタハタが出てしまわないよう、穴の大きさに気をつけるのがポイント!

塩を洗い流した後、また1匹ずつ水分を拭き取ります。水分は腐敗の原因になってしまうため、1日目同様丁寧に拭いていきます。

たるに新しい漬物用のビニール袋をセットし、水分を拭き取ったハタハタを入れ、その上からハタハタが全部浸るようにたっぷりお酢を注ぎ入れます。

今回は穀物酢を使いましたが、まろやかな味が好きな方は米酢を使うといいかもしれません。お酢の酸が殺菌効果を発揮するので、暖かめの冬には酸度の強いお酢を使うのがいいそうです。

お酢を入れて袋の口を縛ったら、2日目の作業は終了です。たるを2日間冷暗所に置いておきます。

この日はハタハタのアヒージョをご馳走になりました。淡白なハタハタは洋風の料理にも合うということを初めて知りました! 

お腹いっぱいになって、酢漬けになったハタハタのたるを持って解散しました。

ワークショップ3日目・麹床の準備

12月22日、ワークショップ3日目。いよいよ本漬けの作業です。

ハタハタ寿司を作る上で要になるのが「麹(こうじ)菌」。その中に含まれている酵素がハタハタのたんぱく質を分解してうまみを引き出し、身を柔らかくします。麹がいい働きをしてくれるため、おいしいハタハタ寿司が出来上がるのです。

そんなカギとなる「麹床(こうじどこ)」を作ります。

ハタハタ1kgに対して、麹200g、白米(炊いたもの)600gを用意します。

麹菌が活発に働く温度は50~60度。炊きたてのご飯だと熱すぎるので、炊いたご飯をボウルなどに移し、少し冷ましておきます。(ガラスのボウルだと冷めすぎてしまった時にレンジで温めなおすことができます)

55度くらいにしたご飯を麹とよく混ぜ合わせます。

湿らせた布巾を掛けて乾燥しないようにして、1時間発酵させます。

ワークショップ3日目・野菜とハタハタの下準備

麹床を発酵させている間にハタハタ寿司の材料を準備します。

ハタハタと一緒に漬け込むのは、カブ、ニンジン、ショウガ、ユズの皮、ふのり、鷹の爪。

カブをいちょう切りに、ニンジンを千切りに(一部花型に)、ショウガを千切りに、ユズの皮を千切りにします。これが、ハタハタ寿司作りの中で一番料理っぽい作業かもしれません。

次に、お酢に浸けていたハタハタを水で洗い流します。2日目に塩漬けのハタハタを洗ったのと同じ要領です。

洗った後は水を丁寧に拭き取ります。

野菜とハタハタの準備ができる頃、麹床もちょうどいい具合に発酵が進んでいるので、いよいよハタハタ寿司の仕込みをします。

ワークショップ3日目・仕込み

たるの中に漬物用のビニール袋をセットし、一番下に笹の葉を敷きます。

笹の葉には殺菌作用があり、冷凍保存もできるので、夏場に採って冷凍保存をしておくのがオススメです。手に入らない場合は笹の葉を敷かなくてもかまいません。地域によっては、スーパーなどで売っているところもあるようです。

笹の葉の上に麹床を約2~3cmの厚さで敷きます。

その上に、ハタハタ同士が重ならないように一面に敷き詰めます。

ハタハタの上に切った野菜をバランス良く乗せます。鷹の爪、ふのりなどもお好みで入れます。(入れすぎに注意!)

塩をひと振りし、みりんを回し掛けます。お酢で洗った手で上からしっかりと押します。

その上にまた、麹床→ハタハタ→野菜の順で乗せ、塩とみりん→手で押すという工程を3回ほど繰り返します。

袋の上部を結んで閉じ、全量の2倍の重石(約2kg~2.5kg)をして冷暗所に置いたら仕込みは完了!

3日目はとても達成感のある作業となりました。

この日のお昼は、ハタハタのペペロンチーノをご馳走になりました。

これから約3週間、冷暗所で発酵させたらいよいよ食べ頃です。そのまま漬けておくと発酵が進んでしまうので、ちょうど良い熟れ具合になったらホーローまたはガラスの容器に小分けにして移し、冷蔵庫で保存します。

発酵が進んで酸っぱくなってしまった場合は、炙ったり汁物にしたりして食べると美味しいそうです。

小山さん「昔はこの時期になると、近所のみんなで集まってペチャクチャおしゃべりしながら仕込みの作業をしていたのだと思います。わりと単純な手作業だからしゃべりながらできるし、逆に1人で黙々と手を動かしていると退屈して飽きてしまいます。これは、何人かで集まってするのがちょうどいい作業かなと思っています。昔ながらの季節の手作業って全部そうですよね。近所のお母さん方が集まって、井戸端会議をしながら手を動かす。その中で、子供たちもできるお手伝いをしながら作業を覚えていく。今の時代だと、ハタハタ寿司は自分で仕込むよりも買って食べる方が安い場合もあります。でも、手作業という付加価値は自分で仕込んだハタハタ寿司にしかないものです。仕込みをして発酵を待つという時間がとてもワクワクするし、こういう伝統を忘れずに子供たちにも伝えていけたらいいな、と思っています」

ハタハタ寿司の仕込みの全工程を終えて思ったことは、とにかく楽しかった!!

その場にいるみんなで同じ作業をしながら過ごす時間が連帯感を生んで、初対面の方とも初日から打ち解けていろいろな話をしました。その楽しい時間も含めての「ハタハタ寿司作り」なんだなと、小山さんの話を聞いて実感しました。完成まで3週間。置いている家庭の環境、常在菌や温度などによって、同じ材料で同じように仕込んだハタハタ寿司でも出来上がりの味は全然違ったものになるそうです。何人かで集まって仕込みをして、出来上がったものを食べ比べしてみるのも面白いかもしれません。

ハタハタが店頭にたくさん並ぶ冬の時期、鮮魚コーナーにハタハタ寿司の材料を並べているスーパーも多いようです。機会があったらぜひ、ご家庭でハタハタ寿司作りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

<材料>

(ハタハタ寿司1.5kg程度)
ハタハタ・・・1kg
麹・・・200g
白飯・・・600g
カブ・・・2個
ニンジン・・・小1本
ショウガ・・・50g
鷹の爪・・・3g程度
ふのり・・・お好みで
ユズの皮・・・お好みで

酢・・・600cc(酢漬け用)
酢・・・100cc(本漬け用)
塩・・・250g(塩漬け用)
塩・・・30g(本漬け用)
みりん・・・60cc

<備品>

5リットル程度の漬けだる
漬物用の袋・・・3枚
手ぬぐい・・・数枚
キッチンペーパー・・・1ロール
ビニール手袋
軍手
2kg~2.5kg程度の重石

小山明子さんの活動

食育塾「みそ汁のある食卓」主宰 https://ameblo.jp/misoshiru-akita/

日本食の土台である「ごはん」と「みそ汁」のある日常を大切にしながら、みそ汁のように懐深く温かい暮らしを目指しています。

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この記事を書いたライター

島田真紀子

有限会社 無明舎出版勤務を経て、フリーライターとして、フリーペーパーやWEBなどの記事を執筆。秋田県大館市在住。秋田県北を中心に、秋田の観光・食・子育て・話題のスポットなどについて発信しています。
mama plan(ママプラン)所属
http://mamaplan.rdy.jp/mamaplanwriter/

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