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秋田酒蔵探訪 〜秋田の日本酒の深みへ〜【ゆきの美人/秋田醸造株式会社】

2019-04-08

おいしい日本酒を一口舐めれば、幸せが五臓六腑に染みわたる。
日本酒ファンの皆さんの中には、日本酒を造っている蔵元に興味がある方も多くいらっしゃるでしょう。
造り手の熱い仕事ぶりに触れれば、さらに奥深い日本酒の世界に誘われます。

いざ秋田の日本酒の深みへ!
今回見学させていただいた酒蔵はこちら!


【秋田醸造株式会社さん】
代表銘柄/ゆきの美人



秋田醸造さんの蔵は秋田市楢山の閑静な住宅街のマンション一階。
外観からは中に酒蔵があるとはうかがい知れません。
しかし事務所の入り口から奥へと進むと驚くべきことに、整然と配置された近代的な酒造りの設備が。
こちらでは代表取締役社長であり杜氏でもある小林忠彦さんを先頭に、少人数精鋭での酒造りを行っています。

 


酒造りについて解説してくださる小林さん。


県内の蔵元では、秋から冬の時期に年間の出荷量を見込んで杜氏とともに集中的に酒造りをし、できあがった日本酒を一年を通し販売するという流れが主流です。
しかしこちらの蔵では一年中日本酒を生産し、在庫が無くなればすぐにお酒を造ることが可能だといいます。
季節に関わらず酒造りができる極めて安定した環境とノウハウが、このマンションの一階に完成されているのです!
 


スリッパを履いて中へ。秘密基地に潜入するような胸の高鳴りを感じます。
 

5日に1本新しいタンクを使い日本酒を造る、ローテーション方式での製造です。
常に製造ラインが回転しているので、定番商品が不足すればすぐに酒造りに取り掛かります。
機能性を重視した設備がそろう一方で、米の水分量・湿気による味の変化・麹とブドウ糖のバランスなど、味の決め手となる判断には長年の知恵と経験が生かされています。
 


5日に1本新しいタンクで酒が仕込まれます。
 


米はここで重さを量るとともに手洗いされます。タンク1本に使用する米は800kg。重労働です。
 


米にカビをまぶす作業を行う麹室。カビの強さや麹、糖のバランスなどで味が変わります。



元麹の仕込み室です。電球を使って温度を調節しています。
 

仕込んでから搾るまでの発酵期間は35日程度。
火入れでそれ以上の発酵を抑え酒の味を安定させた後は、すぐに瓶詰めして出荷します。
「出荷しないと置いておく場所がないので(笑)」と小林さん。


発酵が進んだタンクを上からのぞいてみると……
 


もろみが生きて盛んに発酵しています!


タンク1本分のもろみを圧搾濾過すると、一升瓶(1.8ℓ)1,000本分の日本酒がとれ、およそ300kgが酒粕として残ります。秋田醸造さんの酒粕のほとんどは、なんと由利牛の飼料になっているそうです。

このように、案内していただくと内部はとてもシステマチック。
しかし、機器や設備に頼るだけでは品質は一定になりません。
温度や湿度に対しての、杜氏・小林さんの繊細な感覚が日本酒の品質を決定づけるのです。

小林さんも酒造りを始めてからの数年間は出稼ぎの杜氏に任せて醸造を行っていましたが、なかなか思うような日本酒ができなかったそう。
そこで、自身が杜氏となるべく日本酒の研究を始めました。販路についても「顔が見えるこだわりの酒屋へ届くように」という想いから心機一転。量販店への出荷をやめ、専門性の高い酒屋を納得させられるような、量より質の酒造りにとことん打ち込んだといいます。

設備や酒の味わいを工夫し、同じように酒造りに悩む他の蔵元へも積極的に蔵を公開。
秋田県内の酒蔵同士が情報・意見交換する新しい土壌が広がっていき、小林さんは秋田県酒造組合の技術委員長としてもリーダーシップを発揮しました。

日本酒への深い造詣と、酒の品質へのこだわり・慣習にとらわれない挑戦が融合して「ゆきの美人」が造られているんですね。





ゆきの美人の特徴はほのかな酸味。
酸味はコントロールすることが難しく、従来の大吟醸などでは酸味を抑えた造りが定石でしたが、ゆきの美人ではあえて酸味を加えることでメリハリのある味わいを引き出しています。
近年では全国的に酸味のある日本酒も増えており、味わいの多様化がますます進んでいます。

「ゆきの美人」は秋田の新しい日本酒ムーブメント・トレンドの先駆けともいえる小林さんの逸品です。
 

★★ おすすめの楽しみ方 ★★
どんな食材や料理に合うかは、味わう人やお店のシェフそれぞれに考え楽しんでほしいとのことですが、小林さんのおすすめは魚介類全般との組み合わせ。米を原料とする日本酒はワインなどに比べ鉄分含有量が少ないため、牡蠣などの魚介と合わせても口の中に生臭さが広がらず、一層おいしく味わえるという効果があります。
ぜひ皆さんも、ゆきの美人にぴったりの酒の肴を見つけてくださいね。


◎秋田醸造株式会社

住所/ 〒010-0021 秋田県秋田市楢山登町5-2
電話/018-832-2818


◎取り扱い店(一例)

吉田商店
住所/〒010-0041 秋田県秋田市広面字谷内佐渡33-1
電話/018-832-3768
定休日/なし(基本年中無休、元旦初売り後や特別な場合のみ臨時休業の可能性あり)

まるひこ酒店
住所/秋田市大町4-1-2
電話/018-862-4676
定休/日曜日
 
菅久商店
住所/〒010-0001 秋田県秋田市中通4-14-8
電話/ 018-833-6336
定休/日曜日・祝日

ほか

 

この記事を書いたライター

ライフ編集部

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