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2021-04-28
みなさん突然ですが、変わりゆくものにやるせなさを感じることはありませんか。
時の流れはいろんなことを変えてしまいます。
ですが…
ここ秋田市旭南の「博進堂」は創業1939年から80年以上変わらずお菓子を作り続けています。
和菓子・洋菓子どちらも揃う、世代を超えて愛されるお店です。
なかでも、ロングセラーにして一番人気なのが「チョコレートロール」。なんと今回はチョコレートロールを作っている様子を厨房で見せていただきます!
老舗博進堂の厨房で実際に見られるなんて夢のようです!……とウキウキの筆者。
厨房へは、博進堂の女将さんである杉山久子さんが笑顔で案内してくださいます。
女将さんの明るく優しいお人柄も博進堂が長年愛される理由の1つです。
では早速中へお邪魔してみましょう!
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職人さんが、焼き上げたロールケーキの生地にヘラでクリームを塗っています!
ここでこのロールケーキの魅力のひとつ「栗」をふんだんに投入。
栗が入っていても秋限定品ではありません。年中こんなに…こんなに栗が!
こちらの栗は、何十年も同じ業者さんから仕入れているそうです。
変わらない味へのこだわりがここにも。粒をしっかり感じるごろごろした栗ですよ。
栗の上へさらにクリームをた〜っぷり重ねていきます。
そしてここから巻いていきます…
巻いていきますよ……!
鮮 や か ! !
肩を入れ全身の力を使って少しずつ巻くことにより、ヨレやズレのない美しいロールケーキに仕上がります。
力仕事ですが一日30本ほどは巻くそうです。
そして冷蔵庫で1時間以上寝かすと……
完璧な円柱です。
もうこのままかぶりつきたい!
と思いきや……
さらに贅沢に追いクリーム!
ここでもヘラの早業が炸裂。
その上からチョコレートでコーティング。
筆者にも溶かしチョコレートのいい香りが襲いかかってきます……。チョコレートでかけ湯状態のロールケーキ。
いよいよ完成か!と思いきや……
さらに追いチョコレート!
絞り袋でロールケーキの上にストライプをデコレーションしていきます。
…よく目を凝らしてください。
▼お分かりいただけただろうか……
(早すぎて絞り袋が写真に写りません)みるみるうちにストライプの模様が出来上がりました。
商品の大きさにカットし、断面をチョコレートでコーティングしたら完成!
作っている段階でのロールケーキは全長約50cmなので、1本から22cmのチョコレートロールが2本と3.6cmのカットケーキが1つとれます。生クリームやチョコレートが重なった、かなり贅沢なロールケーキです。
作り方を見せてくださった菓子職人歴45年の田口さんは「ロールケーキは洋菓子の中でも最も難しいお菓子の1つ」といいます。
決まった型のサイズに焼けるホールケーキと違い、生地作りが難しい。
材料の状態やその日の温度で生地の厚みが変わってしまうので、いつも均一な厚さの生地を焼くためには熟練の技と調整が必要なんですよ。
洋菓子は洋菓子職人さんが、和菓子は和菓子職人さんがそれぞれ担当します。
同じ厨房でどちらも見学できるということで、シュークリームと和菓子の作業も見せていただきました。
博進堂の「シュークリーム(1個200円)」は生地の表面がごつごつとして、しっかりしていながら硬すぎないのが特徴。
崩れないので片手でも、ドライブ中でも、きれいに食べられる売れっ子商品です。
サックリしたシュー生地の切れ目からもっちり濃厚な特製カスタードクリームをこれでもかと注入!!
真っ白な粉砂糖をまぶして完成です。
サックリシューともっちり濃厚カスタード。洋菓子の美味しさをシンプルに味わうなら、これです!
こちらは和菓子の工程。季節上生菓子の「菜の花(1個270円)」を作るところです。
職人の手にはしなやかさと厳しさがあり、美しいですね。
粒あんのあんこ玉に緑の練り切りをまぶし…
菜の花をイメージした黄色の練り切りを上からちょんちょん。
大きさ、形を掌の中で瞬時に判断しどんどん作っていきます。
小豆からこだわった自家製あんこは博進堂の和菓子の神髄です。
こうして出来上がったお菓子が店頭を飾ります。
こちらが博進堂の店内!
季節や日によって異なりますが、和菓子・洋菓子合わせて約40〜50種が並んでいます。
この豊富なラインアップが奥の厨房で手作りされているんです。
▼洋菓子
今回の主役であるチョコレートロールをはじめ、シュークリーム、つやっつやの焼きリンゴケーキ。そして熱烈な長年のファンを持つフルーツあんみつも並んでいました。
▼和菓子
季節の上生菓子、羊羹、最中、わらび餅、団子、まんじゅう、詰め合わせなど…
なんでもある!
人気の和菓子は試食もOK!
左が上皇陛下御夫妻も召し上がった「あねっこ餅」、右が大好評につき通年販売の「わらび餅」、奥は商品名からして美味しいこと間違いなしの「もっちりまんじゅう」。
ここからは博進堂の売れっ子お菓子の一部をご紹介しましょう!
【チョコレートロール カット 1個360円】※写真はカットサイズ
(ロング 2,080円)(ハーフ 1,080円)
断面の美しさに職人の技が光ります。
味はチョコとホワイトチョコの2種類。サイズも3種類から選べるので、あらゆるシチュエーションに対応します。チョコは濃厚、ホワイトチョコは軽く爽やか。どちらも生地はしっとりしていて、クリームと栗がたっぷりです。
【モンブラン 1個420円】
【カリカリパイボンボン 1個290円】
洋酒が香る贅沢な大人のモンブラン。こちらも中まで栗がごろごろ!栗!栗!モンブラン好きを満足させる、サービスいっぱいのモンブランです。
手前のカリカリパイボンボンは筆者の大好物。チョコ、パイ、モカ系クリームの層がサクサク、カリカリ、ポクポク…小気味よい食感!何本でも食べられます。
【お花見だんご 1本180円】
この透き通るようなみずみずしいあんこの色合いをご覧ください。もっちりした団子を博進堂自慢のあんこが包み込んだ和菓子王道の逸品。しっかり甘いのに後味はすっきり。あんこは口の中でさらさらと溶けていきます。
【桜餅 1個180円】
こちらはうららかな香りを楽しめる桜餅。塩漬けされた桜葉のしょっぱさ、薄いお餅のやさしい弾力、あんこの甘み…それらが口の中で一体となったとき、人は春の喜びを感じることでしょう。
【わらび餅 1個180円】
このわらび餅は感動的食感ですよ。口に入れたら「……消えた…!?」……そう錯覚してしまうでしょう。ぷるっぷるなのに舌に乗せると水のようにとろけます。そして広がる爽やかなこしあん……
▼ぷるぷる感を動画でお楽しみください
博進堂二代目の杉山良一さんに博進堂の歴史を伺いました。
博進堂は1939年、先代である良一さんのお父さんが創業しました。日中戦争が始まったばかりの頃で、さらに続けて、第二次世界大戦、太平洋戦争が勃発します。
贅沢品である砂糖は流通しなくなり、庶民はお菓子を口にすることもできなくなりました。
菓子職人だった良一さんのお父さんも一時は日満工業学校(※)の調理人として働いたそうです。
※日満工業学校…満州国に技術員・技能者を供給するために現在の秋田市茨島に設立された学校
しかし苦境にめげず頑張り続けた博進堂。
「美味しくて食べやすいお菓子」という先代の精神を継いだ二代目の良一さんも、奥様の久子さんと50年近くお店を守ってきました。だからこそ贅沢な材料をたっぷり使い、庶民に優しい価格のお菓子を届けているんですね。
素材やお菓子づくりの技術などより良質なものを追求しながらも、ご夫妻は「うちのお菓子は昔からほとんど変わらない」と話します。
▼町並みが近代化しても変わらぬ博進堂の佇まい
80年以上変わらない博進堂のお菓子には、戦前戦後を生きた庶民の憧れと喜びも詰まっています。
ぜひみなさんも、博進堂のお菓子で甘い物の幸せをた〜っぷり味わってくださいね!
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【博進堂】
住所/〒010-0925 秋田県秋田市旭南2丁目8-19
電話/ 018-862-5020
定休日/日曜日
営業時間/平日 9:00〜19:00 土日 9:00~18:00
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※価格(税込)・写真はすべて2021年4月現在です。詳しくはお店へお問い合わせください。
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