遊ぶ
遊ぶ情報を発信しています。
遊ぶ情報を発信しています。
2021-05-11
五城目の朝市が行われる五城目町下夕町通り(通称:朝市通り)。その通りの近くに2020年11月「すずなり」というお店がオープンしました。こちらには手作りの革もの雑貨が販売されています。店主の小松田さんは以前製薬会社で働いていましたが、その傍ら18歳の頃から趣味で続けていた革もの雑貨を制作していました。その後、26歳の時に本格的に革職人としての道を歩むべく独立を決めたそうです。
こちらの店舗は、空き家だったお家を知り合いのものづくりの方や、高校時代の友人、五城目町の方々と協力してリフォームしたとのこと。改装前から見比べるとその変化にびっくり!
小松田さんには「革を身近に感じてほしい」「もっと革もの雑貨を気軽に使ってほしい」という想いがあるそうです。確かに革ものって『高い…』『手入れが難しいんじゃ…』というイメージがありますよね。そういう方たちにももっと楽しく手軽に革に触れてもらいたい!という想いから始まったワークショップ「想いをカタチにする日 野球ボールを作ろう」を企画。3,000円(20歳未満は2,000円)で直径約7cm程の野球ボールを作ることができます。こちらは小学5年生から体験が可能です。
本格的な革を使って野球ボールが作れるなんて!いや、そもそも野球ボールって作れるの!?と驚いている私に小松田さんが簡単に作れるよ〜ちゃんとサポートするから〜とニコニコと優しい笑顔で話してくれました。まずは見本としておいてある野球ボールを見てイメトレ。縫い目もカタチも美しいいろんな色のボールがコロコロと置いてあります。立体物を作るのが大変苦手な私ですが小松田さんの言葉を信じて始めていきます!(最終的に記事に載せられる出来になるかだけが不安)
ボールのベースは2種類あります。もちもちと弾力のあるPU(ピーユー)ボールかカプセル型のボール。ボールとして遊ぶならPUボールがオススメ。飾ったりカプセルの中に手紙や思い出の品をしまっておくならカプセル型がオススメです。しぼむことのないPUボールはさわり心地も癒やされるし、これでキャッチボールできたら楽しそう!と思い今回はPUボールを選択。
次に大事な革選び。ここでその人の個性が出ます!革の種類は10種類。革は2枚使うので同じ色で合わせても異なる色を合わせてもOK。更に糸も9種類の中から選ぶことができます。革だけでなく糸も選べるんですね!うーん、組み合わせに困る!
エンジとネイビーが新色とのことなので新しいもの好きな私はエンジを選びました。もう一枚はどの色との相性も良い白、糸は落ち着いたグレーを選択。…良い感じ!
革には無料で文字を入れることができます。革内にはまる文章量であれば文字制限はないそうです。「ありがとう」「HAPPY BIRHTDAY」の一言や、大切な人への感謝の手紙を書いてプレゼントにしたら素敵ですよね。自分の名前を入れるのも子どもが喜びそう!文字を入れる場合は薄い色の革を選ぶと見えやすくなりますよ。私は「HAPPY CLOVER」と入れてもらいました。幸せになりそう〜!
いよいよ革を縫い合わせていきます。ドキドキ!使用する道具はこちら。約5cmほどの針が二本。針の先端はとがっておらずに丸みを帯びています。これなら子どもが持っても安心そうです。(だけど取り扱いには注意してね!)そして底に重石の入った紙コップ…。何に使うんだろう?
まずは仮止めをして縫い合わせる準備。小松田さんが事前に印を付けている穴同士を糸で繋ぎます。太めな糸なので穴に通すのに手こずる私。
ふぅ…。なんとか結べました!3カ所を仮止めしたらボールが収まりそうな形状に!ボールをキュッキュと詰め込みます。
次に小松田さんが使用する糸をタオルでていねいに拭き始めました!糸1本をわざわざ拭くなんてなぜ?
尋ねてみると、こちらの糸にはロウが付いてるとのこと。ロウのおかげで仕上がりがきれいになり、揺るみづらくなるようです。確かに触ってみるとペタペタします。
このロウが糸にべったりと付いているので余分なロウを拭き取るのだそうです。のちに作っていて分かるのですが穴に糸を通すとロウの小さな塊がぽろっと出てきました。これはよりキレイに仕上げるために大切な工程!
糸を通したら抜けないように結ぶのですが、ここが私の一番苦戦した部分です。結び方が特殊なので小松田さんのお手本を動画でご覧ください。
なぜか私は糸がうまく結び合わずにするんと抜けてしまいました。(泣)小松田さんに聞いたところ前回のワークショップではみなさん普通にできていたようですので、そんなに難しい作業ではないようです。早速不器用さを発揮してしまいました(笑)
面白いのがこちらの針、先ほど針を結んだ糸のもう一方の先端にもセットして交互に縫っていくのだそう。だから針が2本用意されてたんだ!
ここで謎だった紙コップの出番。なるほど、ボールを乗せて安定させるためだったんですね!中に重石があるから作業しやすい!
革から革へ針を通していきます。すでに穴が開いているので針を通しやすいです。
針を通したら糸の長さを左右均等に合わせます。(糸が結構な長さで分かりづらかったので図で…)
イラストのようにそれぞれの針を交互に穴へ通していきます。
お!キレイに縫えている気がする!縫う順番や針を刺す位置が違うと縫い目が変になるので小松田さんに確認をしながら丁寧に進めていきます。
見本と同じような縫い目になっていますよね。こまめに糸をぎゅっと絞るのですがPUボールが反発してくるので意外と力仕事!結構な力で絞っても革は切れたりよれることもありません。改めて革という素材の良さを実感します。しばらく進めていくと仮止めしていた部分に到着。糸切りばさみで仮止めの糸を切りさらにチクチク縫っていきます。
交互に針を刺してはぎゅっと絞るという作業に没頭してついつい無言で作業してしまいました。こういう繰り返しの作業は頭の中を無にしてくれるので、日々の雑念を払ってくれます。作業開始から約1時間30分ほど。はじめに針を通した地点が見えてきました!
最後は始めに縫った部分を二重で縫っていきます。そうすることでこぶ結びをしなくても糸が抜けてくることはないのだそう。先に糸が通っているので針を通すには少し力が必要。頑張れ私、もう少し!!
3穴ほど二重で縫ったら糸切りばさみで糸を切って完成です!
わー!できたー!革自体柔らかいので肌触りも良く、それにボールのもちもち感が合わさってとても可愛い…。手の中に収まるサイズ感もちょうど良い。早くも愛着が沸いています。
はじめは無事にできあがるのか不安でしたが、一度コツを掴んだら簡単に作ることができました。ひとりひとりの作業を丁寧にサポートしたいとのことで1回のワークショップにつき人数は4人までとしているそう。やる側も安心して相談できますよね。自分のため、誰かへ贈るため。いろいろな想いを巡らせながら特別な野球ボールを作ってみませんか。
こちらのワークショップは定期的に開催を予定しています。日時はすずなりのインスタグラムまたはフェイスブックにて随時お知らせしていきますので気になる方はチェックしてください。
インスタグラム→https://www.instagram.com/suzunari.akita/
フェイスブック→https://www.facebook.com/suzunari.akita/
【想いをカタチにする日 野球ボールを作ろう(要予約)】
料金:3,000円(20歳未満の方は2,000円)
所要時間:約2時間
対象:小学5年生以上
○ご予約は店頭、お電話(080-5556-5007)、上記SNSからお願いします。
○文字入れは無料です。ご希望の方は開催時間の30分前にお越しください。事前に文字を連絡しておくとスムーズです。
○カプセル型のボールには手紙や思い出の品を入れることが可能です(カプセルのサイズは直径約75mm)。当日に持ってきてください。
○参加人数は4人まで。
すずなりでは今後もさまざまなワークショップを行っていこうと計画中だそうです。どんな体験ができるようになるのかワクワクします!
こちらの店舗では、ひとつひとつ丁寧に、想いを込めて作られた商品が数多く販売しています。おすすめはオリジナルブランドの「uとto(うとと)」。内装と外装が分かれた財布で、外装を変えるだけで手軽にお財布の印象を変えることができます。発想が面白い!「おとな財布」「こども財布」「あかちゃん財布」の3種類のサイズがあり、外装の形、革の質感、色など豊富な種類から選ぶことができますよ。サイズの表現の仕方も素敵…。
個人的に感動したのがランドセルをリメイクして作られたお財布!一つのランドセルから「おとな財布」と「あかちゃん財布」ができます。これは親子おそろいの財布を持つこともできますし、思い出の品がこんなカタチで生まれ変わることに感動…。もとから付いていた傷だって味になりますよね。
すずなりではオーダーメイドも可能です。こんな感じのものがほしいと実物や画像を持ってきても良いし、お店にある商品をベースに好みの革を使って作ることもできます。小物のオーダーメイドは12,000円から。気になる方はぜひご相談してみてくださいね。
2階には、五城目町に工房を構えている「WOOT」の家具が展示されています。WOOTの倍賞さんと小松田さんは共通の知人を介して知り合い意気投合。今回の店舗のリフォームにも協力してくれた心強い仲間の一人です。
WOOTの家具は、大きな材料から不要な部分を取り除き、家具の形を作っていく『削り出し』という手法で作られています。触り心地や身体になじむ曲面づくりにこだわって作られているとのこと。柔らかな木の質感がとても気持ちよく、椅子に座ったらしばらく動くことができなくなるほど心地が良い…。常設展示しているのですずなりに訪れた際には2階の展示スペースにも足を運んでみてくださいね!
▲WOOTの倍賞さん(左)と小松田さん(右)。共同でものづくりをすることも。
五城目町には町の人に愛されて続けている老舗が多くあります。最近では五城目町に新しい店舗を構える方も増え、魅力的で個性の溢れる人たちが集まってきているようです。古き良き町並みと新しい風が心地よく交わる町だなと改めて感じました。
そんな素敵な町にできた革もののお店「すずなり」へみなさんもぜひ足を運んでみてください。そしてワークショップに挑戦してみませんか?
【すずなり】
【住所】秋田県南秋田郡五城目町上町52
【電話】080-5556-5007
【営業時間】10:00~17:00
【定休日】月・金曜日
【駐車場】有り・6台(店舗向かいの敷地内)
【ホームページ】https://utoto.base.shop/?fbclid=IwAR1-9sP5D8Zk9pUVjDObXUP6z5S3Zp52vRjlOgIktW0UcXam-eD7mQlCt1U
【WOOT】
【住所】秋田県南秋田郡五城目町石田六ケ村堰添82-5
【電話】090-7070-3089
【ホームページ】https://www.woot-furniture.com/
※価格は全て税込です
※ワークショップ、価格は2021年4月22日現在のものです。詳しくは店頭またはお電話、SNSなどでお問い合わせください。
この記事が気に入ったらいいねしよう!